それなりに解る!カンタンCG講座




Photoshop(以下”フォトショ”)による彩色方法を紹介します。
あくまでも自分の塗り方なので、これが正しいという事ではありません。
これからフォトショを使ってお絵描きを始めようと思っている方への、ほんの参考程度のものです。
ちなみに自分が使用しているバージョンは5.0Jです。
他のバージョンを使用される場合は、多少異なる点があると思います。
高度なテクニックや難しい作業は一切やっておりません。できません(w
面倒な作業だけは一部含みます。そこはがんばって下さい。


1.線画処理

まず、手描きで描いた絵をクリンナップして線画にし、スキャナーで取り込みます。
解像度は300dpi以上、グレースケールで。
取り込んだ線画は、[イメージ]-[色調補正]-[明るさ・コントラスト]で補正します。
コントラストの数値を上げると線が濃くなり、明るさの数値を上げるとゴミを飛ばせます。
自分なりのいい感じにして下さい。


今回は当サイトの専属イラストレーター(w”セイ蝦庵”先生の線画ファイルを使用しているので、
ここまでの作業は割愛させて頂いております。


この線画を「Eliminate White」を使って、”線だけ”にします。
「Eliminate White」はフォトショ用のプラグインツールです。
フリーウェアなので、ダウンロードしてプラグインしておいて下さい。 (ダウンロードはこちらから)
これを使うと、線だけを残して白い部分を透明にするという作業がカンタンにできます。
グレースケールで取り込んだままでは、この処理を行えません。
必ず[イメージ]-[モード]-[RGBカラー]で、カラーモードをRGBに変更して下さい。
次に[レイヤー]-[レイヤーの複製]で、『背景』と同じものを作ります。
『背景のコピー』というレイヤーができます。処理を行うのは、このレイヤーです。
レイヤーの名前をダブルクリックして、『線画』に変更すると分かりやすいです。
[フィルター]-[Transparency]-[Eliminate White]で線だけになります。
このままでは色が薄いはずです。[レイヤー]-[マッティング]-[白マット削除]を実行して下さい。
最後に「透明部分の保護」にチェックを入れて、線画の完成です。


『背景』を非表示にして、『線画』だけを表示するとこんな感じです。
白い部分は透明になり、黒い線だけが残っています(グレーのチェックになっている部分が透明です)。
各レイヤーウィンドウにある”目”のマークをクリックすると、そのレイヤーは非表示になります。
もう一度クリックすると表示されます。状況に合わせて使うと便利です。
特に同じような色が重なるとどこまで塗ったかが分かりにくいので、一方を非表示にするといいです。





2.レイヤー分け

絵のパーツごとにレイヤー分けします。
パーツごとと言うか、異色が隣り合う部分をそれぞれに分ける作業です。
こうしておくと、後の作業が楽になります。
実は一番地味で手間と時間がかかるので、かなりの根気が必要です。
でも、これが終われば全体の7割がたの作業が終わったも同然です。

レイヤーとは、層のことです。
”透明な用紙に色を塗り、それを何枚も重ね合わせて一枚の絵を構成する”というようなイメージでしょうか。
通常レイヤーの上にレイヤーを載せると、透明な部分は透けて、色を塗った部分だけが重なります。
この性質を利用すると、下になるレイヤーの色がはみ出していても、上のレイヤーで隠せます。
最初は混乱するかもしれませんが、慣れると非常に便利です。
レイヤー分けしないと出来ない作業や処理もありますので、ぜひマスターしたほうがいいです。
自分もまだ使いきれていない部分もありますが(w

色を塗る場合はペンタブレットがあると便利です。
全ての作業はマウスでもできますが、作業能率がぜんぜん違ってきます。
そんなところで使う手間を、もっと重要な作業で使ったほうがいいです。

それぞれの色を「ブラシツール」で塗っていきます。
[レイヤー]-[新規レイヤー]で新しいレイヤーを作っては塗り、作っては塗りの繰り返しです。
最初に作った『線画』のレイヤーは一番上にして下さい。
違う色でも、隣り合っていなければ、同じレイヤーで構いません。


下塗りなので、それぞれのパーツの色を選択して塗っていきます。
非常に面倒ですが、BGMでも流しながら楽しく作業して下さい。
ちなみに自分はダンス系が多いです。もちろんハロプロもよく聴きます。


塗りむらがないように、薄い色を塗る場合は濃い色のレイヤーを下に作っておくと見やすいです。
濃い色の場合は白いレイヤーです。


自分ではキッチリ塗ったつもりでも、こうするとよく分かります。
むらだらけです。





上に色が重ならない部分で、色がはみ出している場合は「消しゴムツール」で消して下さい。
Wacom製のペンタブレットだと、ペンをひっくり返せば消しゴムツールになります。
はみ出ないように神経を使って塗るよりは、はみ出た部分を消すほうが早いです。


これは右手の部分です。
シャツの袖と持っているペンには上にレイヤーの色が載るので、はみ出していても問題ありません。
消しゴムのカーソルがある部分は、上にレイヤーが載っても透明なので消す必要があります。
最初は混乱しますが、レイヤーの構造が分かってしまえばカンタンな事です。



覚えておくと楽ちんなショートカットキー
f7・・・レイヤーなどのウィンドウを表示・非表示
B・・・ブラシツール
Z・・・ズームイン(Altでズームアウト)
スペースキー・・・手のひらツール
Altキーを押したままL,N,Lで新規レイヤーが作成されます。


出来上がった各レイヤーは、”透明部分の保護”にチェックを入れて下さい。
後の作業で、はみ出しを気にせずに塗っていけます。
自分で把握しやすいように、レイヤーに名前を付けておくといいです。


全て塗り分けるとこんな感じです。
各レイヤーを表示・非表示してみると、構造が把握しやすいです。
この状態でとりあえず保存しておきましょう(このまま保存すると、psd形式で保存されます)。
何らかのトラブルが発生して、ここまでの作業が無かった事になってしまうと大変です。泣きます。





3.陰影をつける

色を塗っている事を実感でき、一番楽しい作業です。
各レイヤーごとに、「エアブラシツール」を使って陰影をつけていきます。
状況に合わせ、ブラシのサイズを変えながら塗って下さい。
影の入れ方ひとつで、絵の印象が変わってきます。


エアブラシでプシューっと吹き付けてやります。
楽しいです。
透明部分を保護してあるので、はみ出す事はありません。
光源を意識するのも重要ですが、多少ウソでも自分がしっくりくるように塗ります。
写実的な絵を求めるなら別ですが、アニメ絵の陰影の場合はほぼデザインでしかないようです。
自分なりの感覚がつかめるまでは、何かを参考にしながら塗るといいです。
3段階で陰影をつけるのが一般的でしょうか。
通常の色より暗めの色で影をつけ、さらに暗めの色で光の当たらない部分を塗ります。



レイヤーを乗算に設定して塗る方法もありますが、自分は通常モードで個別に色を選択して塗っています。
最後に白でハイライトを入れて、この作業は終了です。
いくらでも手間と時間がかけられます。


ひとみは大きく拡大して、細かくハイライトを入れます。
誰もが一番こだわりを持って、注意を払う部分でしょうか。
目で決まりますから。





4.仕上げ

全体的な色のバランスを見て、変更したいレイヤーの色調を補正します。
[イメージ]-[色調補正]-[色相・彩度]でプレビューを見ながら処理していきます。
こんな作業がカンタンにできるのも、レイヤー分けしておいたお陰です。


作業しやすいように、[イメージ]-[画像回転]-[180度]で画像を逆さにしました。
ちなみに選択したレイヤーのみを回転させる場合は、[編集]-[変形]-[180度回転]です。

ベストの色を変えてみました。
同一レイヤーの一部分だけを補正したい場合は、「矩形選択ツール」や「なげわツール」で 範囲指定してあげればOKです。





もちろん線画も同様に作業できます。
線画を茶色に変更したければ、茶色を選択した状態で[編集]-[塗りつぶし]で塗り替えられます。
この後、目の部分だけを「ブラシツール」で黒く塗り直しました。




一番下にレイヤーを作って背景を描いたり、「テキストツール」でロゴを入れて完成です。
特に背景のイメージがなければ、「グラデーションツール」でグラデーションをかけてみて下さい。
それなりに見栄えします(w


人物を塗り終わった段階で『背景』だけを非表示にし、[レイヤー]-[表示部分を結合]しました。
「矩形選択ツール」で実際に使う部分だけを範囲指定します。
[編集]-[コピー]、[ファイル]-[新規(そのままOK)]、[編集]-[ペースト]で、余計な部分を断ち切った画像ファイルが出来ます。
完成させるのは、このファイルです。
今まで作業を行ってきたpsd形式のファイルは、レイヤーを結合する前の状態で保存しておきます。
そうすれば、いつでも修正が可能です。




思い残す事がなければ、[レイヤー]-[画像を統合]で一枚の絵にします。
全ての作業は、直前に行った動作を[編集]-[〜の取り消し]で元に戻せます。
(回数はフォトショのバージョンによって異なります)
間違っても慌てず、この処置を行って下さい。
最後に[イメージ]-[画像解像度]で、解像度を変更します。
解像度が300以上のままだと大きすぎるので、小さくしましょう。
通常、72pixels/inchがちょうどいいみたいです。
ファイルを保存して終了ですが、jpgで保存する場合はレベル8以上が望ましいです。
ネット上で公開するのであれば、レベル4くらいまで落としたほうが軽くなります。


以上、説明下手で申し訳ありませんでしたー。

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